研究会の理念

かつて,国産では品質のよいパン用小麦が作れなかった時代がありました。

しかし,2000年頃からの急速な品種改良により,パンが作れる小麦が生産できる環境が整い,パン用小麦が全国的に栽培されるようになってきました。

国産小麦は,品種ごとの香りや食感の違いが楽しめるだけでなく,生産者の顔が見え,生産履歴がわかることで安心感が得られます。さらに,小麦生産者-パンの作り手-消費者がつながる楽しさが広がり,地元で収穫した小麦を地元で消費する「地産地消」もできることが国産小麦の良さです。

しかし,国産小麦には,気象変動の影響や,栽培・品質管理の経験不足等による,「品質のブレ」があり,これを解消するという課題が立ちはだかっています。

生産年次によらず一定の品質で,パンの出来のブレが少ない,使いやすい小麦をお届けしたい。

私たち「茨城パン小麦栽培研究会」は,「食べる人の笑顔が見えるように。食べる人に心が届くように」をモットーに,国産である安心感とともに,使い勝手の安心感を提供する,「使い手にとってストレスフリーな小麦生産」をめざしています。

私たちが栽培しているのは,「ゆめかおり」という小麦(強力品種)です。「ゆめかおり」のパンは,焼いたときにふんわりとしたボリュームが出やすく,もちもちとした食感が味わえるのが特徴です。パンが膨らみやすいというのは,「ゆめかおり」のタンパク質含有率が高いという品種特性によるものですが,私たちはこの良さをさらに活かすため,土地の選定,肥培管理,品質管理に手間と時間をかけて,製パンに適するタンパク質含有率の生産を行っています。